2016年09月

バシッと新聞紙をまるめて、ゴキブリめがけて撲滅大作戦に、わたしは即効、取り掛かろうとした。
オトコは、「噴霧タイプの殺虫剤は、ないのか?」と、上司が部下に指示すかのNeo skin lab 黑店ごとく。
今から探せと?

はあ? 悠長な。
そんなもん、探している間にゴキブリが逃げるじゃないの。第一、家に無いし。
1匹見つけたら、100匹ぐらいいるって、こと。
最初はエアコンの陰に隠れていて、さらに、壁を這って、つつつーと移動するゴキブリ。

オトコは、噴霧殺虫剤がないなら、ベストを尽くしようにも無理、とばかりに、臨戦態勢から、ちゃっかり降りている。
現場の部下に丸投げ。
台所の椅子を持ってきて、それに乗り、くるめた新聞紙で、バシッと・・・叩こうと思MFGM乳脂球膜った直前、
「おい、おい、そんなことしたら、飛ぶぞ」

「なに、言ってんよ。飛ばないよ」
と、わたしは、力の限りを込め、ばっし~んと壁のゴキブリめがけて、振り下ろした。

ゴキブリは、空中遊泳より、もっと速い、・・・なんだろう? ジェット飛行?
あんまり変わらないなあ・・・。第一、そんな単語はあるのか?
なにしろ、飛んだのだ。

飛んだやないか、云々かんぬんの議論は、明後日するとして、
(壁から45度の角度で)飛行した後に、ソフト・ランディングした床を見てみると、
やはり新聞紙・打撃を受けて、弱っているゴキブリが、もぞもぞ動いていた。

「さあ、ここからは、オトコの出番かな?」
そう言うと、オトコは、「こんな状態なのが、一番キライや」
とノタマウ。

バシっとつぶしたとして、つぶれた出たものをどう処理するつもりだ?
と、そんなことは、もう自分Reenex 好唔好の仕事の範疇からは完璧にはみ出てていると、オトコは逃げた。

オンナは、案外、無常、冷徹、・・・グロに強いのかも知れない。
弱るゴキに最後の一撃を与え、新聞紙の先で、庭にほうり捨てた。

どんなに文章が上手く、理知的で素敵で、感動するようなブログでも、
下ネタが書かれているものは、さーっと引いてしまう。
その部分だけ、読まなければいいのだが。
わたしのブログも、他の人から見ると、別の、毛嫌いされるジャンルがたくさん含まれていることだろう。

そこまで書かなくてもいいのでは?と、目を背けたくなるようなこともあるだろう。
あえて、明るみに出さなくても、知った上でわざと、見て見ぬふりをすべき、オブラートに包み、やさしく覆うべき、デリケートな問題などもあると思う。
それに触れられると、とたんに理屈を超えて、不快になるような、嫌な、でも本質だったりする部分。

癒えていない生傷、一生癒えることがない、そういうものには、決して触れてはいけない。
しかし、不特定多数の各人の生傷がどこにあるのか、いちいち察知できない。
そして、自分と他人は同じ、と捉えてはいけない。

なので、読んだ人が思わず笑顔になるような、得をしたような気になるような、
良いことばかり書くか、当たりさわりないことを書くか、楽しいことのおすそ分けをするか、
はたまた、感情移入できることを選んで書くか、・・・
いろいろ方法はあるだろうけれど、
感覚人間で自己チューのわたしは、自分のことをか考えられない。

さっきの同窓会で、久々に会った石沢は、すごく可愛くて、初恋の甘酸っぱい思い出で、俺の胸をいっぱいにした。
中学時代も、その後の高校時代も、俺には恋譽一鐘錶人なんていなかったし、できなかった。ただ、周りの幸せそうなカップルたちを呪いの目でにらみつけるだけの6年間プラス半年。
リア充なやつらなんて、爆発してしまえばいい!
それが俺の口癖だった。
だから、一瞬、俺は、憧れの石沢と恋人同士になる魔法をかけるように頼もうとした。
でも、俺が口を開くよりも、岡島が願い事を言う方が早かった。
「寺森あすかとつきあいたい。俺の彼女にしてくれ!」
寺森あすか。俺は石沢に夢中だったけど、中学時代の男子同級生の間で、石沢についで人気があった女生徒。そういえば、岡島は寺森派だったっけ。
つい苦笑してしまう。岡島も似たことを考えていたのだ。
そっか、寺森と一年間付き合いたいのか・・・・・・

ん? 待てよ? 一年間付き合ったとして、その後はどうなる?
また、元のもてない冴えない男に逆戻りするだけじゃ・・・・・・
折角、寺森を手に入れても、一年後には振られて、惨めな気分ですごす羽目に。
俺は、慌てて、石沢とのことを願うのをやめた。
もっと、幸せが長続きするように、一年後には惨めな思いをしなくて済む、後悔しない選択をしなければ・・・・・・
俺は、考えた。そして、願った。
「俺は、自分を、男を磨きたい! 自分磨きを楽しんでできるような魔法をかけてくれ!」

その魔法使いは本物だったようだ。
俺は、その翌日には、自ら進んで大学の応援団に入っていたし、先輩たちにいろいろと指導され、鍛えられるのが、厳しくつらいもののはずなのに、とても楽しかった。
それまで、ぶよぶよと水ぶくれしていた不健康な暗い青年だった俺は、半年もしないうちに、筋肉隆々のガッチリした体格のハキハキとモノを言う応援団員になっていた。
そして、大学の各サークル・部活が参加する大会に出かけていっては、一生懸命、大声で応援し続けた。
そんな中で、俺にも、春が来た。
応援団の俺のことをよく面倒みてくれる先輩の妹の鈴菜が、俺のことを気に入ってくれた。
さすがに、石沢や寺森のような美人ではないが、というか、平均より器量では劣るが、なによりも大切なことは、俺のこと愛してくれているということだ。
自分磨きに余念のない俺を心の底から愛してくれていて、あれこれ世話を焼いてくれる本当にいい女だった。
俺は幸せだった。俺も鈴菜を愛していた。

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